(ナイロビ編から続く)
2日目〜5日目
到着したのはマサイマラ国立保護区。空港といっても草原にちょっと大きめのバス停のような屋根とベンチがあるスペースがあるくらいで、滑走路型に草が生えていない赤土の部分に着陸。
フライトに合わせて迎えの車が。私たちの車も含めてマサイマラで見かける、観光客用の車は、色、サイズ、窓ガラスと天窓の仕様などは色々だったけど、ほぼ全部トヨタランドクルーザーでした。
ここでの滞在中ずーーっと私たち専属のドライバーになるマサイ族で背の高いJoshuaさんにご挨拶。彼はとても若そうだけど、後にCharlesに聞いたところによると、奥さん2人に7人のお子様がいるとのこと。「早速ちょっとサファリしますか?」とCharlesだけは元気いっぱいだったけど、揺れる恐怖の飛行機からやっと解放された私たちは一旦落ち着きたくて、「とりあえずホテルに」。空港からロッジまではサファリカーで10分もかからないくらい。チェックイン後一息ついたら、ゲームドライブに出かける。ここでの3泊4日の滞在中、毎日朝食前と夕食前、合計6回のゲームドライブをしました。朝の出発は日の出前、とはいえまだ太陽は見えないもののもうあたりはしっかりと明るくなってから。出発時は半袖Tシャツ、フリース、パーカー、アウター(ゴアテックスなど)を着ても、車は窓枠と天井のフレームのみで風を遮るものがないこともあり、結構寒くてCharlesにもらったマサイの布にくるまるほどだけど、完全に陽が登ってしまえば半袖Tシャツで全然大丈夫なほど。
夕方の場合は朝の逆で日が暮れてから寒くなってくる感じでした。
晴れた日の夕方Charlesに言われて空を見上げると。。。日暈が。これはハロー現象とも呼ばれるそうですが、雨の降る前触れだとか。
雨が降る前だったからかはわかりませんが、その日の夜野焼きが見えた。最初は火災なのかと思ってしまったけれど私たち以外誰も騒いでいなかった💦Charlesによると草が食べ尽くされたところに新しい植物の芽を出すのを促すために時々野焼きをするとか。
ヌーの川渡り
初日のハイライトはなんといってもヌーの川渡り。ヌーの群れはここマサイマラ保護区と隣接するタンザニア・セレンゲティ国立公園を季節ごとに移動して生活しているけれど、例年今頃(8月)はマサイマラ保護区にたくさんいて、移動の必要に応じて集団で川を渡るのです。川を渡る途中でワニに襲われたり、渡った先にライオンなどの肉食獣が待ち構えているなどというリスクがあるせいか、集団で川縁に降りて来てから、実際に渡り始めるまでには相当な時間が。。渡るかな、と思いきや一斉に崖を登って川縁を離れてしまってはまた降りて来て川縁で機会を伺うというのを繰り返し。。。結局渡らないという日もあるそうです。。。
川渡りの瞬間を見ようとたくさんのサファリカーが川を見下ろせる地点に待機。Charlesによると1日待機した挙句、諦めて撤退したサファリカーも。私たちもその一団に加わりました。私たちが来てから1時間くらい待機。。。1頭くらいちょっと川に入ってみるけど、やっぱり撤退を繰り返した後に。。。ヌーの群れと一緒にいたシマウマ数頭がおもむろに川を進み始めました。すると。。。ヌーが続き。。群全体が次々に川を渡り始め。。。
一度渡る流れができると後は遅れを取らないように集団でという感じで大迫力の川渡りでした。Charles曰く、毎日見られる訳ではないので初日に見られてラッキーでしたね、だって。
マサイマラで見られる動物
ゲームドライブで人気のある動物といえば。。。いわゆるBIG5と言われているのはライオン、バッファロー、ゾウ、ヒョウ、サイなのですが、ここマサイマラにはBIG5が全部生息しているのだそう。ただし、その動物達を見つける難易度は様々。。。基本的にゾウ、バッファローは特に探そうと頑張らなくてもそこら中にいる感じ。私たちもゲームドライブに出かけるたびに何頭も見かけました。それでもバッファローの大集団とか親子ゾウとかに遭遇するとちょっと車を停めて撮影タイム。次に見つけやすいのはライオン。私たちは6回のゲームドライブ中4回見ることができましたが、内2回はメスが集団で寝ているところでした。それから、捕食中のライオンの集団を1回。この時はメスばかり4、5頭が食べているように見えたのですが、もう出発しようと車が動いた瞬間、実はブッシュの影に1頭先に食べ終わったと思われるオスが寝ていた。しかし、既に出発してしまっていたので戻ることはできずオスの写真を撮り逃す(しかもパパは見逃す)。というのもライオンがいるところには大体サファリカーの待ち行列ができていて、ベストスポットで順番に見学&撮影ができるシステムになっているから。面白かったのは、メスライオン数頭が谷間を挟んで対岸にいるヌーの群れに狙いをつけていた場面に遭遇したこと。もちろん取り巻きのサファリカーは多数いましたが。この時は、ライオンがうっかりブッシュの上に顔を出してしまい、ヌーに気付かれ失敗。残念。ライオンに気付いた時にヌーが一斉にライオンを2度見したので、見学していた私たちにも失敗したことが一瞬でわかりました。
最終日になってライオンのカップルが朝日を浴びて歩いているところに遭遇。この時には動いているライオンだったためか取り巻きの車はいなかったので、しばらく彼らの移動に合わせて車を進め、ライオンの勇姿を全員で堪能。百獣の王と言われる威厳を感じる。後の2つ、ヒョウとサイはCharlesによると同じくらいの生息数らしいのだけど。。。そもそも誰もサイを見つけようとはしていないようで。ドライブ中に、ヒョウがいそうなところなので探しています、とかチーターがいる可能性があります、ということはあってもサイについては一切の言及はありませんでした。結局ヒョウは1回遭遇、サイは0回でした。野生のヒョウを見たのは全員初めてだったのでテンションが上がりました。が、実はこの時もヒョウが寝ている木の周りにサファリカーが順番待ちをしていて、数台ずつ順番にベストスポットに行けるというシステムになっていました。木の枝にはヒョウの獲物であるインパラがぶら下げられていて、その少し先でヒョウがぐっすり眠っていました。ある日の夕方に遭遇したのですが、翌朝も木の周りに車列があったのでヒョウはかなり長い時間木の上に滞在していたのかも。動物園でしか見たことがないサイもいつか会えたらいいな。BIG5ではないけれど、みんなが熱心に探していたのはチーター。ラッキーなことに最終日に遭遇。この時もチーター撮影のための車列が出来てました。2頭で見つめ合ったりしていて可愛かった。
他の肉食動物で私たちが気に入ったのはハイエナ。全部で3回ほど遭遇したけれど内2回は捕食中。まだ結構原型を残したヌーの子供を食べていて。。。その周りでハゲワシが待機していた時も。でも、正直お顔だけ見ていると可愛らしい。横から覗く犬歯は結構鋭くて怖いけど。
キリン、カバ、ヌー、シマウマ、トピ、トンプソンガゼルなどはそこここにいる。カバやキリンは単独とか少数でいることもあったけど、大体は大集団。ヌーやシマウマは隊列を作って移動していることも。
面白かったのは毎回必ず通る池にカバが1頭浮いていて、いつ見ても死んでいるのかと思うほど全く動きがなかったのにある1回だけ留守だったこと。あ、生きてたんだと。ゾウは牙に鼻をおいて寝るというのも今回初めて教わったこと。早朝サファリの時に3頭が並んで寝ていました。
私たちは今回初めて野生のダチョウを見て特にみいちゃんはダチョウ推しになったのだけど、初日に遠くに見えた時にも、もっと近くで見る機会はありますから、と軽く流され。。。どうやら一般的にダチョウはわざわざ探して見る対象ではないようでした。そこで、ダチョウが見たい!とリクエストしたところ。。。見つかりました。といっても他の草食動物のようにそこここにいる感じではなく、初日に遠くに見えたのも入れて遭遇は3回のみ。オスとメスで色が違うと説明を受けるも、その時はオス1頭しかいなくて。。。メスも見たいなぁと思っていたらこちらも最終日にラッキがー。オスとメスが同時にいました!!
他にも鳥はたくさんいたけれど動きが早く意外と近くで見る機会は少なかったかも。ホロホロ鳥やアカノドシャコなど地面を歩いている鳥は他の動物を見学するための待機中などに周りを歩いていることも。また、トンプソンガゼルを捕食しているワシにはサファリカーの行列ができていました。捕獲直後なのか、かなりそのままの姿のトンプソンガゼルを足で押さえてクチバシでガツガツいってました。皮をむしる音が結構大きくてびっくり。
タンザニアへ
滞在2日目の夕方のサファリを終えた時、Charlesから「明日はちょっと長めのゲームドライブをしませんか?」と提案が。正直ナイロビ以来腸の状態が安定しない(下してる)パパとママには長時間のゲームドライブ=長時間お手洗いに行けないということで、とても勇気が出ない。「お弁当を持って終日サファリ」案はパパ、ママだけでなくみいちゃん、はるっちもお手洗い以外で用を足すことになるかもしれないと怖気付き却下。でも次に出てきた対案が素敵すぎて反射的に全員賛成。それは。。。「ゲームドライブをちょっと長めにしつつタンザニア国境に行く」案。マサイマラと地続きのタンザニア・セレンゲティ国立公園まで足を伸ばせるなんて。これまでも陸路で国境を越えたことはあるけれど、私たちにとって国境って本当にワクワクするところ。「行きたい!朝ごはん抜いてでも頑張ります!」と即答。そう、通常は朝ごはん前にするゲームドライブを朝食後午後にかかるくらいの時間まで行うのです。一応、国境手前にある、マラ川にかかるマラブリッジを渡ったところに、この保護区を管理する人々の詰め所のようなところがあって、そこにはお手洗いも。実際に利用したはるっちによるとそこそこ綺麗だったそう。お手洗いがあると必ず一応行っておくはるっち。ここにはスクールバスも何台か止まっていて、制服姿のケニアの子供達がゲームドライブというよりは授業でもしそうな綺麗な格好をした先生方に引率されていた。遠足か?
さらにそのまま進むとタンザニアとの国境。といってもパスポートコントロールなどはなくただ国境を示す石とINTERNATIONAL BOUNDARY NO ENTRY INTO TANZANIAと書いてある木の看板があるくらい。ここではみんな車を降りて国境線で記念撮影、もちろん私たちも。誰も監視していないし、両国を跨いだり、行き来も自由。同じ景色が広がるばかりだけど初めて来たタンザニアに一同テンションが上がりました。ところで、マサイの人を勝手に写真に撮ってはいけないという事前のネット情報によりJoshuaの写真を撮らずにいた私たちでしたが、Joshuaがドライバー1の長身、イケメンのせいかホテルでの待機中に他の観光客の方達から写真撮影をお願いされあっさり応じていたことからこの機会に一緒に撮ってとお願いしました。お隣はCharles。
ホテルライフ
マサイマラで滞在したのはMara Serena Safari Lodge。
お部屋の定員の関係で2名ずつ2室に別れてしまったけど、お隣のお部屋でした。都会のホテルのようなデラックス仕様ではなかったけれど、シャワーはきちんとお湯で、お手洗いはもちろん水洗でした。ヘアドライヤーもちゃんとありました。テレビはなかったけどWi-Fiは問題なしで24時間電気も使えました。毎日1人1本ずつ(500mL)ミネラルウォーターが供されたのですが、これが瓶入りで一度開けると蓋ができないタイプだったのでちょっと大変でした。しかも蓋がプルトップタイプだったので途中でちぎれて開けるのに失敗したことも。。。お水はこれ以外にゲームドライブ中に車内にあるペットボトルが貰い放題でした。
基本的には朝、夕のゲームドライブ以外の時間帯は食事と自由時間。とはいえ、ホテルの敷地外へ出る交通手段はないからただホテルにいるだけ。一応ホテルには屋外プールとジム施設があったけど、私たちはといえば。。。ただ休んでた。今回はサファリの時間が割と朝遅めで夜早めだったから自由時間は朝と午後の3時間ずつくらいしかなく、早起きしてる上、それぞれ食後ということもあり、お部屋でゴロゴロしてるとあっという間に過ぎてしまう。ホテルの敷地内では鹿、マーモット、バブーン、イボイノシシを見かけました。特に、バブーンはお部屋に入ってきて悪さをするから窓を開けっぱなしにしないようにと言われました。
食事は朝、昼、晩全てバイキング。席に着くとまずニンジンやきゅうりなど日替わりの野菜のポタージュスープまたは牛、ラムなどこちらも日替わりの肉類で出汁をとったクリアスープのどちらかとパンが運ばれてくる。それ以外のおかず、デザートは全てバイキング。基本的にはCharles曰くインターナショナルクイジーンということで幅広く親しまれている西洋料理中心の構成。さらに調理人がいるコーナーがあり、朝はエッグステーションとしてオムレツ、スクランブルエッグなど様々な卵料理を、昼と夜はパスタステーションとしてホワイトソースかトマトソースベースかボロネーゼのパスタを作ってくれました。ケニアの人はものすごく親切で面倒見が良いので英語ができないみいちゃんもはるっちも気後れせず毎回自力で注文。こちらのパスタはちょっと柔らかめだけどソースはとても美味しいと2人ともご満悦。一方パパは西洋料理中心のバイキングコーナーからCharlesに聞きながらケニアっぽいものをチョイス、不調だと言いつつ様々なケニア料理に挑戦。お勧めされたケニアのお袋の味ムキモはマッシュポテトの中に野菜が入ったようなもので癖がなくて結構いける。ママは野菜の濃度が高そうな濃厚なポタージュスープとスティームドライス(超美味しい!)に救われてました。ケニアには日本では見たことがない緑色のパッションフルーツがあり、これは全く酸っぱくない。甘いタイプまである。毎食のようにCharlesと同席してお話ししていたのでここに滞在している間にすっかり打ち解けました。Charlesの一番上のお嬢さんは大学生でナイロビの自宅からバスで大学に通っているという話を聞いてはナイロビの治安に怯えていた私たちにも普通の生活が想像できたり。。今はアメリカからの観光客が多いという話や、ケニアや近隣諸国の観光地、それぞれで見られる動物の話も。このホテルのお客さん達を見回してみると。。。アメリカかなと思われる人が一番多そうだったけど、中国かな、インドかなと思われる人もいたり、Wilson Airportで会った日本人のグループも。
最終日にはCharlesがサプライズでブッシュブレックファーストを準備してくれました。朝のゲームドライブ後ホテルへと帰る道を通過したからあれ?と思ったら、車から降りるよう言われ、初対面のマサイの男性についていくと。。。朝食会場が準備されていました。私たち以外にも何組もいたので常設のよう。道にはイボイノシシが、すぐ横の川にはワニやカバが。この川になぜかその辺の落ちてた木の枝を振り回しながら突進しようとした日本人のおじいちゃん(もう1組いた日本人グループの1人)がCharlesに一喝されてました。同胞として恥ずかしすぎ!!ここでもバイキング形式でした。シャンパンもあったんだけど、コンディション不良のパパとママは見送る。ちなみにここにもちゃんとお手洗いがあり、利用したはるっちによるとそこそこ綺麗だったとのこと。
最後にチップの話を。基本的日本で支払済なのでお金を使うのはほとんどチップのみだったので、持っているお金が自動的に崩れることはなく、手持ちの1ドル紙幣がみるみる減っていく。ナイロビで全部なくなってしまったのでマサイマラに到着した時にCharlesに相談すると、ホテルのレセプションにお願いしてくれて、20ドル札を崩してくれた。お部屋のクリーニングと食事の時にしか使っていないのにこの20ドルは全額なくなっちゃった。ちなみにドライバーのJoshuaには、出発前に言われていた通り都度払いではなく帰る時に空港で一括で謝礼をお支払いしました。(モンバサ編に続く)